2011年3月22日火曜日

1160:ヨウ素剤投与について

BBCでイギリス大使がヨウ素剤を配っているとも聞いたし、アメリカ政府が日本在住のアメリカ人に配ると云うニュースも聞いた。

日本政府はまだヨウ素剤投与については言及していない。

日本と欧米での考え方に大きな違いがあるようだ。下記にウィキぺディアからの情報を転記する。日本政府がヨウ素剤投与を言及し始めたら要注意だと思う。

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原子力災害時の放射線障害予防薬

ヨウ素は同位体の種類が多く(ヨウ素の同位体を参照)、その大半が放射性同位体として知られているが、自然に存在するヨウ素のほぼ100%が安定同位体のヨウ素127 (127I) であり、「安定ヨウ素」と呼ばれる。安定ヨウ素はカリウム塩の「安定ヨウ素」製剤として、丸薬または内服液として用いる。 動物の甲状腺は、甲状腺ホルモンを合成する際に原料としてヨウ素を蓄積する。原子力災害時等により、不安定同位体の放射性ヨウ素を吸入した場合は、気管支や肺または、咽頭部を経て消化管から吸収され、その10~30%程度が24時間以内に甲状腺に有機化された形で蓄積される。放射性ヨウ素の多くは半減期が短く、その代表としてよく知られるヨウ素131 (131I) の半減期は8.1日であり、β崩壊することで内部被曝を起こす。 放射性ヨウ素の内部被曝は甲状腺癌、甲状腺機能低下症等の晩発的な障害のリスクを高めることが、チェルノブイリ原発事故の臨床調査結果より知られている。

大量にヨウ素を摂取した場合、甲状腺にヨウ素が蓄積される。それ以後にさらにヨウ素を摂取しても、その大半が血中から尿中に排出され、甲状腺に蓄積されないことが知られている。 それを応用したのが、放射線障害予防のための「安定ヨウ素剤」の処方である。 非放射性ヨウ素製剤である「安定ヨウ素剤」を予防的に内服して甲状腺内のヨウ素を安定同位体で満たしておくと、以後のヨウ素の取り込みが阻害されることで、放射線障害の予防が可能である。この効果は本剤の服用から1日程度持続し、後から取り込まれた「過剰な」ヨウ素は速やかに尿中に排出される。 また、放射性ヨウ素の吸入後であっても、8時間以内であれば約40%、24時間以内であれば7%程度の取り込み阻害効果が認められるとされる。

なお、放射性ヨウ素の被曝による甲状腺の障害は、甲状腺の機能が活発な若年者、特に甲状腺の形成過程である乳幼児においてに顕著であり、40歳以上では有意ではないため、本剤の投与は40歳未満の者に対してのみ行われる。国際原子力機関 (IAEA) の基準では本剤の適用範囲を年齢・性別を問わずに適用としているが、世界保健機関 (WHO) の基準では40歳未満としている。日本においては、日常的にヨウ素を多く含む海藻類の摂取が日本以外の国と比較して多く、過剰摂取回避に注意する必要がある。

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