2011年2月9日水曜日

1077:調査団長の資質

コンサルタント会社が組織として調査団長の資質を問うことはない。仲間割れになる。

寧ろ、クライアント側が評価の対象として団長の資質を問題化することが多い。クライアント側に団長交代の要請がでて、会社がそれを受けて団長を交代させることがある。

団長の資質。難しい問題である。特に、コンサル会社では団長になるような人は、40代から上である。会社組織の中で管理職であり、課長、部長、取締役などの職位にあることが普通である。

従って、団長以下、副団長、専門家、業務調整などはJVでなければ、殆どの団員は部下だ。上司としての団長に逆らったり、異論を述べることはない。結果として、会社のハエラーキーがそのまま調査団に反映されるので失敗はない、と考えられる。

稀に、団長がおかしな人でクライアントや現地カウンターパート機関の信頼を得られない場合など、団長と副団長らとの軋轢が発生する。そこまでに至らなくても、団長が実力不足で団内が乱れる場合、副団長のお陰で失敗には至らないこともある。副団長の出来が悪いと云う場合もあり、一概には言えないが、団長、副団長、そして信頼できる若手か中堅の3人か或いは2人がコケなければ、何とか調査団としてうまくいく。

会社全体が調査団として実力不足と云うケースもあるが、不名誉な出来事なので書かないでおこう。

08年だったか、あるクライアントの内部文書が関心表明時に配られる資料に紛れ込んでいて、クライアント側のコンサル、特に団長の資質(英語力、説明能力など)が劣化している問題が議論されていた。なるほど、クライアントさんは良く見ていると思った。

団長職も昔は総括だけで、調査期間のうち何度か現地に来て、取りまとめや説明役するだけだったが、昨今は国際機関のように、団長/何某、というように専門性も入れられることになり、団内調整だけではなくなった。

そういう過酷な作業に耐えられる団長候補は、今のコンサル会社にどれくらいいるのだろうか。

一方、開発だけでなく管理計画なども主流なっている。60歳を超えた熟練の方か、あるいはまだまだ元気な50代か、或いは40代で団長になれる優秀な人材がいるか?今の時代、フットワークが軽くないと難しい。

やはり、団長、副団長、そして将来団長になれるぐらいの優秀な若手か中堅、それら3人の総合力が問われるのだと思う。結局、彼らは会社を代表できる社内の「3世代」なのだ。

60、40、20代という設定かな。若干歳がずれてもいいが、部長以上、課長クラス、若手の精鋭が揃えば何の問題も起きることはないし、クライアントさんからも絶大な評価が得られる。

その連携が、時代と共にシフトしていけばよい。それが難しいのが現実である。

そういう素晴らしい連携ワークはもうないんでしょうか、と懸念してしまう昨今である。

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