2009年8月20日木曜日

371:藪の中

コンサルタント活動というのはまずは事実を明らかにするところから始まる。所謂、facts findingsである。

これが中々難しい。コンサルタントを生業とする者でも手抜きが横行する。思い込みや思い入れで間違った方向に進んでしまった事例も多々ある。流石に大手コンサルではあんまり見かけないが、コンサルタントがいないコンサルタント会社(?!)では常に起こり得る。要するに、やる気がないし、いやいややっている諸氏がいるのである。

特に、子会社としてのコンサル会社。井の中の蛙状態であり、親会社からの出向者が優遇され、プロパーは元々やる気がない。形だけの仕事だけである。

一方、親会社からの出向者はコンサルなんてしたこともないが、学歴も高くプライドもある。コンサル的な仕事なんて大したことないと思っている。しかし、内心は不安感で満ちている。

小生も何の因果かこういった組織に数年ほどいた。親会社のある方の紹介で子会社の海外事業立て直しのお手伝いであった。出社して第1日目にオフィスの様子を概観して、この会社は駄目だな、と直感した。技術力や案件形成のセンスはゼロ。長い人生のいい苦行だったが。

この会社で多くの案件に参加したが、信頼できるエンジニアはたったの2人しかいない。

今でも恥ずかしい案件は2件あり、これがまだ続いているということを聞いた。前調査のやり直しに近い形である。クライアントに申し訳がない。前調査で事実をしっかり認識して、それを次の段階に首尾よく繋げるのがクライアントに対するコンサルの義務だからである。

結論を言えば、2件のお飾り団長(親会社からの出向者)の力量不足であり、都合の悪いことを隠し、都合のいいことだけをクライアントに伝えるプロに反する行為である。重要な事実を隠したり、計画案をゼネコンにまる投げする行為はコンサルとは言えない。

こうしたことを続けて行くと最終的に会社に大きな打撃を与えてしまう。非常に残念なことであるがコンサルタントでないコンサル会社や団体にはよくあることらしい。

コンサルタント会社が衰退してくると非コンサルタント団体が台頭してくると期待したが、やはりプロのコンサルが復興してこないとODAは成り立たない。

調査や計画が闇の中では心もとない。

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