2009年8月21日金曜日

375:クライアントのこと

こんな主題だとクライアントの悪口かと思われそうだが、実際は逆のことである。

もう30年近くコンサルやっているのでたくさんのクライエント側の方々との協働作業を経験している。勿論、甲と乙の関係ではある。

日本に限れば、JICAさんと旧JBICになるか。部長以上の方とは協議だけだが、次長さんクラスから新入社員の方々とは契約頂いた案件に関して国内や現地でご一緒させていただいている。

調査団員、副団長、団長、専門家など様々な形でいろいろ対応させてもらっているが、人間関係でトラブったことは記憶にない。基本的にコンサルは芸者稼業と認識しているので、お客様とのトラブルはご法度である。

コンサル企業がピークを迎えた1980年代初頭のころは大手コンサルに入ることはJICAさんやJBICさんに入るより難しいと言われていた。それが、段々コンサルの3Kが進み、今では世間全般でもJICAさんに入ることは余程のことと認識されるようになった。

コンサルとJICAさんの若手の方を相対的に比較してもあらゆる面でJICAさんの方が勝っている。特に雑用も含めてコーディネーターやファシリテーターとしての能力は格段の差である。

これではお客さんの方が優秀で、芸者稼業のコンサルの芸が見透かされてしまう。困った逆転現象である。

今は旧JBICさんがJICAさんに吸収されたので、それこそ、益々職員のレベルが上がってします。3Kのコンサルに優秀な人材を送り込もうとする各大学の研究室も益々減る一方だろう。

何の因果か、小生もある機構にいたことがあるが、流石にキャリアに今一歩届かずといった超優秀な方々が腐るほどいて、研修の講師をしていてもやりがいがあった。特に京大大学院は優秀だね。同じ研修をコンサルでやっても惨めな結果になっただろう。元々の学力が違いすぎる。機構であるから、管轄省との調整もあるし、当然業者との関係もあるし、JICAさんの苦労は同じ機構として十分分かっているつもりだ。

後5から10年したら、どれだけのコンサルが存在しているのだろうか?これならいっそのこと、昔に戻って直営で援助協力をするのもいいかもしれない。JICAさんの前身時代は大学の先生を団長に据えて、各コンサルから優秀な専門家を配して実施したものだ。八十島先生もエジプトなどで実施されていた。これなら大学の国際化も進むのではないかな。今の膨大な案件数ではちょっと無理だろうか。

JICAさんもコンサル企業劣化の対策をそろそろ取られるのだろうか?これも民主党のODA政策が絡んでくるだろうか?案件形成をコンサルが応札するかしないかを考えなくてはならない時代は非常に危機的な問題である。

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