2010年9月11日土曜日

785:建設コンサル会社の株価変動比較から見えるもの

ここ南部アフリカの今日は風が強い。お陰で、洗濯ものの乾きが早くて有難い。風による蒸発というのは凄い。そう言えば、この1週間は強風だったなと思いだした。時どき、省本部ビルの7階のベランダにでて、中国勢が進めるホテルの建設状況を上から観察しているのだが、風の強さで煙草の火がつきにくかった。

まだ雨期までは1カ月ほどある。去年の1月には雨期を経験したが、今回は乾期から雨期への移行期間を体験することになろうか。

さて、話は株価の変動である。といっても投資や株には全く興味はない。以前も書いたが、老後のために蓄財する気持はない。

ただ、株価の変動は河川のハイドログラフに似ているので、その変動の理由や将来予測と云う意味では興味深い。またコンサル業界のマクロな活動具合は株価で大方分かることがある。勿論、多くの建設コンサル会社は上場していないので、サンプルは限られる。とは言え、大方のコンサルは似たり寄ったりの状況だから例えサンプルが少なくても大体の感じはつかめる。

サンプルだが、3社ほど設定している。具体の会社名は敢えて書かないがちょっと見れば分かる。

A社:業界最大手コンサル(国内海外が分社化されていない)
B社:上水道に特化した老舗コンサル(海外は別会社だと思ったが、最近合併したか??)
C社:最古参のコンサル(海外は別会社)

10年前を起点として変動値を%で表している。A、B、C社をそれぞれ青、赤、緑の線で示す。(注:ヤッフーの株価チャート比較図を入れようとしたが、余りにも生々しいので省略。簡単に出来るので、興味のあるかたはヤッフーでどうぞ!)

1.全体的に見れば、大きな変動パターンには大差ない。3社とも概ね06年ごろをピークとしている。

2.一部特異な変動もある。例えば、01年にはA社に50%程度の上昇がある。大きな案件が取れたとか具体の受注具合を見てみる必要があるが、ある事件からの影響から脱したかもしれないね。B社の場合は、04年と06年に2つのピークがあり、他の2社とは業績の違いがある。営業センスの高い会社と聞いている。

3.06年から09年まで3社ともずっと下降線を下っているが、その後の若干の回復傾向は、A及びB社に見られるが、C社ではその傾向はなく、現在この10年で最安値である。最大手のPCIが廃業した影響はないらしい。

4.03年ごろは早期退職などリストラの嵐がコンサル業界でも吹き荒れ、その後回復したが、06年ごろからリストラやコスト削減でも大きな外圧には勝てなかったということか。これから奇跡的に景気が良くなるという期待が仮になったとしても、稼ぐための要員がいないのでは受注が出来ないという有様であろうか。

5.河川のハイドログラフでは、降雨との関係で将来予測を行うが、株価に対する要因は複雑だから単純にある指標との関係で株価を見ることはできない。それでも、素人なりの見方も出来るかもしれない。98年ごろだったか、社内でアンケート調査があり、5年後(即ち2003年)には業績は赤字か?という項目があったが、小生は迷わず、必ず赤字になると予想した。それが100%当たってしまったが、会社幹部が何らかの手を打つことが出来たかどうかは分からない。

6.要するに、コンサル業界は博打ではないので、淡々と誠実に技術を磨いてニーズに合った仕事を続けるしかないということだけは確かだと思う。お医者さんや弁護士さんでも儲からない時代だし、安易な総合化を目指さないで、アンサンブル・キャストで確実に報酬を頂くことしかないのではないだろうか。事務屋を会社全体の5%程度にするぐらいの改革が必要かもしれない(かも)。新入社員は取らず、最低5年の経験者を取るとかね。会社で若手を育てたって、給与が安ければみんな逃げちゃうからね。特に一流大学大学院卒はその傾向が強い。

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