1カ月ぶりぐらいか、シルダリア川最上流域のキルギス・トクトグル貯水池の流入・流出データをレビューした。
5月の流入量の記録は以下の通り。
5月中旬:22%増
下旬:79%増
6月上旬:18%増
中旬:46%増
予測よりかなり増加している。雪解けは6,7月ごろがピークであるので今年はかなり予想を超えた流出が早めにあったようだ。ダムからのかんがい用水用の放流用は計画通りである。
昨年のパニック状態は何だったのか?タジクのアムダリア川上流支流のダムが枯渇したことからシルダリア上流の渇水を危惧した結果である。しかも水文気象的な考察は全く無かった。マクロ経済屋さんが過剰に反応したのを覚えている。以前も書いたが、ダム貯水池の容量は経年貯留と年内貯留では性格が全く違う。トクトグルは10年程度に1回低水位に至ることを前提としているので、たとえ低水位になっても異常渇水でもないかぎりは復帰するのである。UNDPや世銀には水文専門家はいないのであろうか。
それにしても今年の冬は何とかキルギスの電力不足は回避されるかもしれない。自然は予測不可能であるので油断はできない。
時どき海外でカウンターパートと話している時、
「人間は嘘をつくけど、自然は嘘をつかないからね」
というと確かにねという人と胡散臭がる人に分かれる。
それにしても今年の南部アフリカはさほど寒くない。ローカルの職員に言わせると平年とは違うそうだ。
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