2010年10月1日金曜日

824:世銀ミッションとの協議

当地水セクターへの支援では、やはり世銀とアフリカ開銀が主導的である。特に世銀はずっと以前からプロジェクトベースだけでなく、水省や水公社の改革をもバックアップしてきた。

昨今のSWAPブームで、CIDAが無謀にもSWAPを主導してきたが、カナダのいつものunderfundedという特性から支援は長続きしなかった。今はSWAPも崩壊寸前である。全般的に見ても、リーマンショックの影響か、開発パートナーの支援額や意欲に陰りがあるような感じもする。WaterAidも今年はなぜかおとなしい。DfIDの支援がないのだろうか?

来週、世銀ミッションが1年ぶりに来る。毎年来ているが、今年は若干態度が違うようだ。去年までは開発パートナーと協議するのは例外的で、且つ各ドナー事務所に直接出向くことはなかった。今年はちょっと異例だ。これまでの省と世銀ミッションの覚書は入手しているからミッションの目的や構成は既に知っている。

水省は二枚舌的なところもあり、支援してくれるならSWAPなんかはどうでもいいというのが本音かもしれないね。

ただし、SWAPは一応省が公式に進めているわけだし、世銀支援のプログラムがSWAPをあからさまに無視するのもまずい。アフリカ開銀もその辺を意識しているので、この辺でSWAPに消極的な世銀の理解を得たいと思っているようだ。

ところが、CIDAが急に撤退したため、SWAPも主導者を失い全く前進していない。また、JSRの元となる毎年のパフォーマンスレポートの中身が殆どないのも課題なのである。SIPは10年早い。

SWAPの危機でもあるのだが、打開策がないのが現状である。形だけのSWAPはなくてもいいと僕は思っているが、やはりできるだけのことは専門家として支援する意義もあるので、今回から積極的に支援することにした。とは言え、1年とかで簡単に動くわけではないので、まずは各技術ワーキンググループの現状からレビューすることにした。直接的な係りはこれからである。

省の当て前と本音が錯綜する中で、省が利を得ることだけを考えている可能性もあるので、あんまり刺激しないようにすることも重要だ。実際、予算が限りなくゼロに近いので、SWAPに関係なく、支援があれば何でも受けるのが実情なのだ。最貧国のお台所事情なのである。

多くの国では、当地と同じように、開発パートナーから資金を得るための「ダミー」として国家水政策戦略計画やIWRM計画などを(実施する考えも無いまま)安易に策定することがあるので、十分注意することが肝心なのである。ダミーの計画書群に惑わされることがないようにしないといけない。

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