2010年10月2日土曜日

827:ホーム化したコンサル

なぜコンサル会社が現地に営業事務所を置くかは自明だが、要するに現地での情報収集活動を通じて案件形成や公示案件の事前現地調査を容易にして、受注確率を高めるためだ。

最近は会社全体の勢いが低下しているせいか、海外事務所の強化に余裕がなくなっている。コンサルが相手国政府と協働して事前の案件形成を実施することも少なくなっている。

結果として要望案件の熟度が低下するという欠点が表立ってくる。

また、国によっては、長年継続して調査を行っているコンサル会社が保守的であったりすると、ニーズアセスが疎かになる。会社として係りの少ない案件を形成しても実入りがないため、折角新しい支援のニーズがあっても見過ごしたり、(故意ではないのだろうが)クライアント側に新情報を流さないケースも散見される。

実力のあるコンサルがうまく案件を形成していくとクライアント側や相手国側にとってもいい案件実施の循環ができるのだ。セクター全体の整合性のある案件形成が可能になってくる。

当地では、過去20年以上に亘ってハンドポンプ付き深井戸建設が行われてきたが、コンサルも常に受注できる立場だから安心しきってホーム化していた。村落から町や市など準都市水道事業のニーズもここ何年も知らん顔だったし、コミュニティーベースの深井戸維持管理の強化ニーズも関係ないといった具合だ。自分の会社の利益誘導に関係なければ知らん顔という対応は、まさに使命感なきコンサルと言ってもいいだろうか。

開発コンサルタントは使命感とある意味の理想主義を持っていないと持続性のあるサービスは展開できないと思っている。会社単位の利益だけでコンサルタントサービスを捉えていると廃業する運命になると思っているのだが、いかがであろうか。

進化するコンサルが切望されている。

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