片岡義男を久々思い出したのでいろいろネットで検索した。もう69歳だった。ご健在で写真家としても活躍が伝わってくる。いいお顔をされている。服装もかっこいいね。早速奥さんにメールで送る。
彼の随筆は多いが、お父さんのこともわずかながらある。お爺さんがハワイの日系1世、お父さんは2世で英語しか話さなかったらしい。逆にお母さんは日本語だけだったそうだ。日本からの花嫁かな。当時結構写真だけでハワイに花嫁として渡ったご婦人が多い。何しろ同じ県出身じゃなくてはだめだというのもあった。
片岡さんのご出身高校は都立だし、大学は早稲田の法学部なはずだ。
お父さんは日系人として戦後日本に駐屯されていたのかは不明だが、当時兵隊が支給されていたハミルトンのハックワッチを子供の時もらったと随筆にある。彼の説明では兵隊用語とある。確かに当時は兵隊のスラングで呼ばれてはいたが兵隊用語ではない。
ハックワッチとは、ミリタリーウォッチとして現在でも人気の高いハミルトン社の「カーキ」を代表とする時計の総称だ。第二次世界大戦にアメリカ軍へ腕時計を供給していたハミルトンは、多くの兵士が身に着けていた。戦場で兵士たちが時刻を合わせる際に、リューズを引いて秒針を止めてHackの掛け声と共に秒針をスタートさせるこの行動から「ハック・ウォッチ」と親しまれていたという俗説もどこかにあった。このハック・ウォッチと一緒に帰還することが、共に戦った名誉であり誇りでもあったのだ。
しかしこのhack watchというのはdeck watchとも言って「甲板時計」を意味するずっと昔からある海事用語であり、天測時の時間合わせに利用するところからきているときいている。日本軍やドイツ軍などにも同様に古くから存在する。
片岡さんのお父さんもハックワッチを持っていたということは無事戦火を潜り抜け生き延びた証だったと想像するし、息子の片岡さんに記念の時計をいろんな気持ちを込めてさしあげたのだろう。片岡さん自身はお父さんの気持ちについては語ってはいない。
コンサルにとっては海外で時計をハックすることはないが、日本に残っている家族のことを思い、時差を気にすることは多い。今の時差はプラス7時間だ。ちなみに小生のハックワッチはドイツ軍の流れを継承するタグホイアーである。
0 件のコメント:
コメントを投稿