2009年7月31日金曜日

337:蟹工船

公に発表されているコンサルタント会社の年収を比較すると唖然とする。

残業あり土日出社あり、しかし残業代なし、パワハラありの過酷な状況も各方面から聞いている。国内も下請けさんをいじめているからだんだん離れて行くので若手社員の負荷が大変らしい。

下記が大雑把な年収比較である。

中小コンサル会社:平均年収600万円(+-数10万)
大手コンサル会社:平均年収800万円(+-数10万)

大手と中小では200万円の差がある。この差は大きい。平均年齢の42,3歳では子供の教育費もばかにできない。一人っ子ならいいが2、3人もいると大変だ。海外手当をため込んでも精々年間100万ぐらいか。

一方、大手ゼネコンはどうかというと、

平均年収は900万円(+-数10万)となる。何とか生活できるレベルか。

大雑把に言って、40歳過ぎて20年以上の経験を有する専門家であれば、平均8カ月は稼働できそれに対する報酬が頂ける。月250万ほどの報酬であれば年間では2,000万円ほどになろうか。12カ月現地で働けば3,000万円に達する。

しかし、年収は精々800万円。稼ぎの2分の1以下から4分の1強程度である。

昔、歯に衣着せぬ大先輩がこれでは売春婦より実入りが悪いとこぼしていたが、状況は今でも変わらない。

せめてゼネコンさん程度の年収が確保されなければ魅力のない業界になってしまうかもしれない。仕事が面白くてしょうがないという時代もあって、自分自身年収の低さに何の劣等感も違和感も感じなかったが、今は昔の価値観かもしれない。実際奥さんができた人で、「こんなんじゃ生活できません。」と愚痴は言わなかったので助かった。

賢い方はできのいい奥さんを見つけてダブルインカムをしているらしいし、できのいい若手はさっさと転職して実入りのいい企業に転職しているらしい。

20年以上の海外経験はコンサルとして立派なCVである。輝かしい経験と知見で再出発するのもいい選択肢かもしれない。ただし実力がなければ地獄である。

残る地獄と去る地獄。

蟹工船からの脱出は難しい判断である。船がタイタニックだと尚更だ。

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