2014年5月5日月曜日

2250:今日の本の要旨(2)

大森義夫『国家と情報』の要旨。これはいい内容だと想像して感想を書く。

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・日本の情報の通弊なのだが、各国指導者の人物研究が足りない。
どんな経歴で、どんな性格なのか、どの程度の支持基盤なのか、掘り下げが足りない。(同意。コンサル活動でも関係者は全員調査する。)

・日本の情報機関を設立せよという議論は、さまざまな所で叫ばれている。
問題は、方法論である。
あらかじめ、結論を記す。

1.政府の情報コミュニティーを整備して、中核となるインテリジェンス組織を再編する。

2.世界各地に関する地域研究を強化することからスタートする。
いきなり外国で情報員を運用したり、教科書か小説に出てくる手法をトライする力量はない。
現地事情に重点を置いて時間をかけつつ中央アジアにせよ中南米にせよ基礎研究を深め、人的パイプを開拓していく。
任務にたえられる人材も養成されていくだろう。

3.新しいインテリジェンスは国内イシューをカバーしないこととする。(同意)

・バージニア州ラングレーに所在するCIA本部の中庭に1776年、独立戦争の際に英国軍の動きを情報収集中に捕らえられ、
21歳で絞首刑に処されたネーザン・ヘイルの像が、
「私は祖国のために失う命を一つしか持たないことを悔やむのみ」との言葉とともに建っている。
これがCIAの原点である。(なるほどね。知らなかった。名言だ。)

・国家の情報機能は外交、インテリジェンス、軍事の3つのチャンネルで成り立っている。(確かに)

・現場は宝の山であり、現場情報は雄弁である。
行動的で実績のあるリーダーほど自分で見聞した現場情報に依拠する。(まさに、今の活動こそがそうだね。)

・情報分析とは直感力を頼りに多元方程式を一片に解こうとするようなアートの要素がある。(同意。センスのない人はダメ。開成、東大出身には無理だね。)

・情報機能についてモサドから学ぶモノは多い。
情報資産、つまり情報活動の技術や基盤に関する無形のノウハウである。
最高の無形ノウハウは人材の継続であり、やる気の伝承である。(官僚には無理だ。プロの系譜。忍者と同じですよ。)

・政策決定者に情報を報告しているうちに報告を聞くにも技術があると感じた。
報告を聞くのがうまいのは、やはり後藤田正晴さんだった。(だろうね。)

1.本当に情報が必要だ、渇望しているという態度で耳を傾ける。

2.資料をよく読む。
老眼をいとわず赤線を引いてデータを逃さない。

3.質問する。
すこくでも曖昧なことを言うと「なんや、どういう意味や?根拠があるんか?」と弾が飛んでくる。

4.教えてくれる。
「君はそう言うが、こういう話もあるんやで」。
このフィードバックが嬉しい。

・情報には威嚇力がある。
情報を求める者は情報を知る者であり、知は力である。(知識管理だね。)

・独自の情報を持てば、独自の政策を持てる。(同意)

・ある時、女王陛下のサービス、伝統ある英国の情報機関が職員募集の新聞広告を出した。
条件は2つ。

1.人事管理の能力があること。

2.断片的な事実から全体像を描く能力を持っていること。(まさに、芸術である。

・情報マンは余計なことをしゃべらなければプロフェッショナルになれる。(ブログに書くようじゃ失格かもね。)

・一人前の情報マンを養成するにはジェットパイロットの養成よりも時間と金が必要である。(同意)

・紳士の国、英国で情報活動は紳士の仕事とされている。
情報とは知的な技能であるというだけでなく、第一に情報活動には審判がいない。
この点はゴルフと同じである。
とくに国際情報戦となると互いに「愛国者ゲーム」である。(確かに)

・情報活動は権限や強制で行う権力行為ではなく、きわめて人間的な営みだから権力臭のない、魅力溢れる紳士が有用である。
情報は伝えたい人のもとに伝えられるものである。(権力者じゃだめだね。コンサルの情報収集活動でも同じこと。)

大森義夫氏は、元内閣情報調査室長である。
いわゆる内調である。
警察庁出身で、日本政府沖縄事務所、香港領事、警視庁公安部長、警察大学校校長などを歴任した。
基本的に海外を経験すると情報感覚は磨かれる。
ホンモノの情報に触れ、危機意識が芽生えるので、回りの情報に敏感になる。

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それでも、なかなか中核的な組織ができないね。官僚だけじゃダメなんですね。

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